「諦めない心」


貫井中学校長　桐野　和之

　パナソニックという会社を一代で築いた松下幸之助さんという方がいます。この人は、簡単に取り外しのできる電球ソケットを考案します。と言っても皆さんには分からないかもしれませんね。さらに、二股電球ソケット、自転車用電池ランプ、乾電池などを考案して会社を軌道に乗せました。
　今では当たり前になっている電気アイロン、ラジオ、テレビ、電気洗濯機、電気コタツ、電気冷蔵庫等の開発も手がけました。晩年には「松下政経塾」を設立して、政治家の育成にも力を注ぎました。
　松下さんは数々の苦労や危機を乗り越えた人生を歩みましたが、日本の実業家として世界に名を馳せた人です。そのため、松下さんは多くの名言やエピソードを残しています。その一つにこんな言葉があります。それは、「失敗したところで止めてしまうから失敗になる。成功するところまで続けていれば、それは成功になる。」という言葉です。
　失敗しても諦めるな。成功するまで続けていれば失敗にはならない。と言っているのです。いかにも、いろいろな発明を考案して成功に導いてきた人という感じです。
　皆さんの中には、美術や技術・家庭の作品づくりで上手くできずに途中で放り出してしまった人はいませんか。数学や英語の学習で、内容がよく分からないからと言って投げ出してしまう人はいませんか。途中で止めてしまっては「成功」にならないのです。上手くできないところで放り出さないで続けることが大切なのです。分からないと言って投げ出さず、分かるまで継続して学習に取り組むことが大事なのです。
諦めないでがんばる心、成功するまで続ける強い心を持つことが、失敗しないことの基本なのです。
　３年生にとっては令和二年は高校受験が控えています。しばらく辛い時期が続きますが、諦めないでがんばる、成功するまで続けるという心と意志をしっかりもって、この辛い時期を乗り切ってください。
　また、１、２年生の皆さん、日々の学習や部活動において辛いことから逃げない、失敗したところで止めずに、成功するまで続けるという気持ちを持ち続けてください。
　「諦めない心」を皆さん一人ひとりがもってくれる一年であってほしいと思います。